みかづきのItalian?

出張先での昼食は、ご当地グルメが楽しめる絶好に機会である

ところが今回は忙しいのもあって簡単に済ませるべく、弁当を買いに現場の道路向かいにあるスーパーへ

 

その一角で偶然にも目にした

どこのスーパーでもありがちな、粉モノ屋らしき店

 

私が住む天下の台所である大阪では目にすることのない

独特な佇まいと異様な雰囲気に思わず足を止める

 

 

どこかでみたことがある、、、

 

そこで売られているイタリアンという名前の、

なんとも怪しげな食べ物

昔見たケンミンショーで紹介されていた、

ご当地B級グルメであることに気がつく。

 

物価上昇が激しい昨今においてスパゲッティ一皿400円という破格の値段で提供されていることに、血が滲むような企業努力を感じ、

その魅力に引き込まれてしまった。

 

メニューはというと、定番らしきトマトソースのほか、ミートソースやカレー、和風キノコあんかけなど豊富なソースのラインナップ

とりわけシーフードカレーに心惹かれながらも、初心者はまず定番だろと自分に言い聞かせてトマトソースを注文

 

先に注文を受け取る人のプレートに目をやると、トマトソースの下には見慣れない茶色いパスタが、これは二郎系ラーメンのような全粒粉か何かのワシワシ麺で、これがご当地で愛される秘訣だなと思いつつ、一方でトマトソースが少なめなことに少し物足りなさを感じ+50円でソース多めをオーダー

 

注文を受け取り席に座ると

パスタにトマトソースがかけられ、刻み生姜がわずかに添えられているだけのこのシンプルな一皿に究極の完成度を感じ、興奮を抑えきれない。

 

 

 

発泡プラ系の容器に同じく脱プラなんてクソ喰らえと言わんばかりの立派なプラスチック製のフォークが、昔ラスベガスで食べたjolly beeを彷彿させ、新潟というド日本でありながら異国の情緒すら感じる。

 

またロゴが印刷されたナプキンが愛らしく、使わずにメルカリに出品しようかとさえ思ってしまう。

 

食べる前にこんなに視覚で楽しめる450円なんて日本中どこにあろうか。

 

トマトソースをパスタに絡めようと前述のフォークで混ぜている時に初めてそのパスタは普通のパスタでないことに気がつく。

 

えっ、、、、

これ、焼きそば?

 

 

 

パスタにしては異様に太い麺

全粒粉だと思っていた茶色い麵は

実は

ソース焼きそば、、、、、

だったのだ。

よく見ると、そこにはモヤシや刻まれたキャベツが見え隠れするのである。

 

トマトソースとソース焼きそばという異様な組み合わせに、

少し戸惑いつつも口へ運ぶと、

 

その瞬間に広がるトマトの爽やかな酸味、追うように感じる焼きそばソースの香ばしい風味

今までいろんなものを口にしてきたが、経験したことにない組み合わせだが、懐かしさを感じ、心が締め付けられる不思議な体験だ。

トマトソースも焼きそばも優しめの味付けでどちらが主張することもなく絶妙なハーモニーで互いに相乗効果を高めている

実に計算された食べ物だ。

さすがとしか言いようがない。

 

More than my expectation

 

たまに遭遇するモヤシとキャベツの食感がこれまた楽しい。

 

完全に井之頭五郎になった気分だ。

 

焼きそばも単体としても成立しており

むしろ時折焼きそばだけを味わうことで単調にならず飽きることがない

だから敢えてトマトソースを少なめで設定されているのだと食べ始めた中盤に気付いた

 

そう、みかづきのイタリアンはトマトソースの絶妙な量まで計算し尽くされていたのだ

 

そのことに気が付かず、初めてにもかかわらず生意気にもトマトソース多めでオーダーした自分を心から恥ずかしく思う。

 

食べあげた頃にはこの偶然にも出会ったこのB級グルメの虜になってしまった。

 

またいつかここにきて

この一皿を食べることを目標に仕事を頑張ろう!

 

そんなモチベーションを上げてくれる

イタリアンと私のささやかな出会いだった。